ナトリウム(Na)と塩素(Cl)が結合したものを一般的に塩と呼んでいます。
これは塩化ナトリウムと言います。
そして、いろいろある塩化ナトリウムの中で食べ物としてお馴染みなのが食塩と言うわけです。
ナトリウムと塩素は体の中で普通別々に存在をしています。
両方ともに細胞外液と言う細胞間を満たしている液体などに含まれていて、
例えばナトリウムの場合は50〜60%がこの細胞外液に含まれ、残りの30%が骨に含まれています。
塩素も同じように大部分が細胞外液に含まれています。
ナトリウムと塩素はそれぞれが体の中で大切な働きをしています。
例えば細胞外液の量と浸透圧を一定に保つようにしたり
体に適したpHを調節したりします。
このナトリウムと塩素が足りなくなると体にはいろいろな障害が起きてきます。
例えばナトリウムや塩素が不足すると
体の浸透圧が低下して循環器不全や血圧低下と言う症状が生じたり
場合によっては死にいたることがあります。
そのため昔から人間には、いかに上手くナトリウムと塩素を摂取して
さらに体内に溜め込むか、と言うことが本能的に働くようになっています。
例えば口から摂取した食塩は、ほぼ100%近くが体内に摂取されます。
そのときに体内の食塩量が十分満たされていれば
摂取量と同じ食塩が排泄されて平衡が保たれるようになっています。
つまり余分に摂取した塩分は体の中に残らないのです。
とすれば、たくさん塩分をとっても体外に排泄されるのであれば問題はない?
と言いたいところなんですが、ご存知の通りそうではないのです。
食塩の過剰な摂取ではっきりしている病気は胃がんと言われています。
メカニズムははっきりしていないようですが
食塩の摂取量が多い国や地域は胃がんが多いと言うのが定説になっているようです。
そして、もっとも知られている病気が高血圧です。
学問的こは、塩分と高血圧の関係についてはいろいろと論議があるようです。
いづれにしても、高血圧に塩分が関係しているらしいことがわかったのはごく最近のことのようです。
食塩を体内に溜め込むと循環血液量が増え血圧が上昇する状態がしばらく続きます。
腎臓がそれに対応してナトリウムを体外に排出して循環血液量は元に戻り平衡保たれるのですが、
一端上昇してしまった血圧は下がらないで高血圧の状態が続いてしまうと言うことになります。
そして高血圧の状態が長く続くと、ある日突然
脳や心臓、腎臓、大血管などの重要な臓器に障害を引き起こすことになるわけです。
つまり、
食塩の摂取量が増えると循環血液量が増える
それに伴って血圧が上がる
と言うメカニズムが考えられています。
その後で循環血液量が元に戻っても高血圧が維持されてしまいます。
これにはホルモンなどいろいろな因子が絡んでいるようです。
しかし必ず食塩の過剰な摂取が血圧や胃がんに関連するかと言うと
そうでは無いと言う説もたくさんあるようです。
実際に食塩をたくさん摂っても全員が高血圧になると言うわけではないようで
個々のケースで見ると必ずしも『食塩を多く摂れば血圧が上がる』と言うことが
当てはまらない場合も多いとのことです。
(参考・引用:栄養と料理(女子栄養大学出版部)、がんばらないダイエット(主婦と生活社))
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